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(AL関連の実践)【高校/数学】アクティブラーニングを通して「わかった・できた」

山内寿和(金沢市立工業高等学校)

金沢市立工業高等学校のウェブサイト

(溝上のコメントは最後にあります)

対象授業

 

 

はじめに

平成29年7月14日(金)、溝上慎一氏をお招きし、金沢市教職員研修講演会「アクティブラーニング型授業への転換-高等教育、そして仕事・社会への移行をにらんで-」が金沢市立、唯一の学校である金沢市立工業高等学校で行われた。金沢市立工業高等学校1年数学Aの研究授業を例として紹介する。学習指導案は図1のとおりである。

 

  
 図1 学習指導案大きく

 

第1節 当日の授業

題材は第1章「場合の数と確率-第2節 確率とその基本性質-」、教科書は「Standard」(東京書籍)を使用している。本校の数学では習熟度別にクラス分けをしており、研究授業を行ったクラスは前回のテストの下位13名で構成された。場合の数や確率に関しては、小学校や中学校で学習しているが、問題に対して予想をさせ、具体物を用いて実際に試行することで数字に近くなっていくのか興味を引きながら行うことを意識した。

5時間配当で、本時は2時間目であるが、前時では高校で確率を学習する1番最初の授業として、さいころの確率が「本当に1/6になるのか」を課題にさいころをたくさん投げ、同様に確からしいさいころを使用すれば1/6に近い値になることを学習した。本時は、その同様に確からしいことを確かめたさいころを使用し、2つのさいころを使った問題でも予想と近づくのか、試行を通して考えを深めることを目標とした。

授業の流れとしては、前回使用したさいころを見せ、前時のことを振り返る→問題「2つのさいころを投げて出た目の和のうち、1番出やすい目の和はいくつか」を提示する→問題に対し、個人で予想を立てる→ペアでさいころを投げ、実験をする→結果から気付いたことを話し合う→気付いたことを発表し、まとめる。というのが1時間の流れである。

図2は授業の様子を撮ったものである。

 

    図2 授業風景

 

  

 

第2節 授業をおこなってみて

当日の研究協議会での溝上慎一先生のご助言では、アクティブラーニング型の授業として①生徒に時間を意識させることができていない。②生徒の意思表示を活かせていない。③ペアワークやグループ学習を1時間の中に何回も入れることができる。というご指摘を受けた。①に関しては、時間を意識させることで生徒はその時間内に終わらせることができるようになることをご助言頂いた。私は自分の時計や小さなキッチンタイマーだけで時間を計っていたが、溝上先生からはパソコンや大きなタイマーを使って生徒に知らせる方法をお聞きしたので、今度からはそのような対応をして生徒の行動を活発にしていきたい。次に②に関しては、教師側が発問した際に、挙手をした生徒が数名いた。挙手をするということは生徒が考えているサインだということをご助言頂いた。また、全員を参加させるためにグーパーなどのハンドジェスチャーを入れることをお聞きしたので、全員を参加させる意味でも生徒全員に意思表示をさせることを意識していきたい。最後に③に関しては、予想をさせてから意見を共有する場や実験をする場、問題を解く場などペアやグループにできる場面があることに気付かせて頂いた。そのペア学習やグループ学習にかかる時間を確保させるためにも、①で挙げた時間を意識させることが大切になることも学ばせて頂いた。今度からは1回の授業に何回もペアやグループ学習を取り入れていきたい。

 

  

 

第3節 今後の課題

最後に、金沢型工業教育モデルから課題解決型学習を進めていく中で、アクティブラーニングは適したものであり、溝上先生の助言からそのベースとなることを学ぶことができた。このことを生かし、生徒の就職や進学に向け「職業人」を育成していきたい。

 

 

溝上のコメント

 

【参考ページ】

タイマー表示については、下記のページを参照。

(AL関連の実践)乾菜摘(帝塚山学院中学校高等学校)「アクティブなインプット学習から協働学習につなげる授業」

(AL関連の実践)森信明(花園中学高等学校)「禅の具現化を目指したアクティブラーニング授業」

 

 

プロファイル

山内寿和(やまうち としかず)@金沢市工業高等学校


  • 一言:生徒の中には、できていた問題でも文章が少し変わってしまうだけでできなくなる生徒や、既習事項を用いれば解ける問題も、解き方を教えられるまで解こうとしない生徒がいます。まずは自分で考えること。そして、解けたことを言語化することで真のわかったに繋がるのではないかと思います。アクティブラーニングを通して、わかった・できたを真のものにしていってほしいです。

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