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(データ)パーソナリティ特性(ビッグファイブ論)からみるビジネスパーソンの職場適応や能力

要点

本レポートでは、まず“勤勉性”“外向性”“経験への開かれ”の3つのパーソナリティ特性が、学校教育で育てる学習態度と対応するという理論的仮説を立てた。その上で、ビジネスパーソンを対象に調査をおこない、“勤勉性”が高くても、“外向性”“経験への開かれ”の弱いビジネスパーソンの職場適応や能力の弱いことが明らかとなった。この結果を学校教育での学習に適用して、習得学習の基礎となる“勤勉性”だけでなく、アクティブラーニングや探究的な学習による“外向性”や“経験への開かれ”も育てないと、職場適応や能力等の弱いビジネスパーソンとなる可能性が高くなるだろうとまとめられた。

 

第1節 本レポートの目的

本レポートでは、パーソナリティの5因子特性の中の3因子「勤勉性」「外向性」「経験への開かれ」が、ビジネスパーソンの職場適応や能力とどのように関連するかを明らかにすることを目的とする。

パーソナリティ5因子特性とは、一般的に「ビッグファイブ(Big Five)」と呼ばれるものである。パーソナリティ表現は、古くオルポートら(Allport & Odbert, 1936)の研究によれば、40万語収録の辞書“New Webster International Dictionary”から17,953語を選ぶことができるとされ、日本では66,000語収録の辞書『明解国語事典』から3,862語を選ぶことができるとされる(青木, 1971)。しかしながら1980年代以降、これらのパーソナリティ表現は大きく5つの基本的特性因子にまとめられるビッグファイブ論が多くの研究者から提示されるようになり(Digman & Takemoto-Chock, 1981; Goldberg, 1981; McCrae & Costa, 1987; Noller, Law, & Comrey, 1987)、今日パーソナリティ研究の確固たる知見となっている(Goldberg, 1992; John & Srivastava, 1999; McCrae & John, 1992)。

本レポートで焦点を当てる「勤勉性」「外向性」「経験への開かれ」の3因子は、学校教育で育てる3種類の学習態度に、多かれ少なかれ対応するパーソナリティ特性であると考えられる。学校教育における生徒学生と、職場におけるビジネスパーソンあるいは社会人を、共通のパーソナリティ特性で測定し対応を図っていけば、それは学校から仕事・社会へのトランジションの研究に資するものともなる。

 

 

続きは、レポート(PDF)を参照。

 

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