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(データ)高校生の学びと成長をパーソナリティ特性から見る(その4)

要約

これまで社会人・大学生におけるパーソナリティ特性(勤勉性・外向性・経験への開かれ)の職場適応や能力、学びと成長に及ぼす影響を明らかにしてきた。本レポート(その4)では、高校生を対象に同様の調査を行い、これまでの知見が高校生にも認められるかを検討した。以下の2点が明らかとなった。
①これまでのレポートで報告したことと同様に、目的変数によってパーソナリティ特性の影響の及ぼし方は異なっていたが、全体的に勤勉性・外向性・経験への開かれの及ぼす影響は高校生を対象にした本レポートでも認められる。
②大学生・社会人を対象としたこれまでのレポートではすべて通っていた、勤勉性から経験への開かれの有意なパスが本分析では通らなかった。他方で、社会人・大学生と同様に、経験への開かれが深い学習・AL外化・探究活用力・資質・能力に直接的な大きな影響を及ぼしていた。高校生を対象にした、パーソナリティ特性の深い学習・AL外化・探究活用力・資質・能力へ及ぼす影響において、勤勉性・外向性と経験への開かれが構造的に別次元のものであるかは、今後別のデータで検証する必要があると考えられた。
③外向性のみ男女差が認められた。女性が男性に比べて外向性が高いと言える。

 

第1節 問題

学校から仕事・社会へのトランジション研究において、パーソナリティ研究におけるビッグファイブ論から「勤勉性」「外向性」「経験への開かれ」の3つのパーソナリティ特性を取り出し、その影響について検討している。パーソナリティ特性はさまざまな研究で用いられているテーマ横断的な心理変数であり、現代社会に適応し、学び成長する人の特性を学校・仕事・社会を跨がって、さらには青年期・成人期・中年期・老年期を跨がって検討するのに有用であると考えられる。
 これまで、大卒以上・正規雇用の社会人を対象とした検討(レポート [その1])、中卒以上・正規非正規雇用の社会人を対象とした検討(レポート [その3])、大学生を対象とした検討(レポート [その2])をレポートしている。対象によってパーソナリティ特性の影響の及ぼし方は若干異なるものの、概してパーソナリティ特性(勤勉性・外向性・経験への開かれ)が学びと成長あるいは職場適応や能力に影響を及ぼすこと、その中でもとくに経験への開かれが大きな影響を及ぼすことが明らかとなっている。
 本レポート(その4)では、高校生を対象に調査を行い、これまでの知見が高校生にも認められるかを検討することを目的とするものである。

 

 

続きは、レポート(PDF)を参照。

 

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