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(AL関連の実践)【中学校/地理】主体的・対話的に学びを深める生徒の育成-防災・減災について考える-                         藤山和也([京都府] 南丹市立園部中学校)

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対象授業

 

 

第1節 授業の目標

園部地域は、2013(平成25)年に台風18号により、河川の氾濫などの大きな被害を受けている。そこで本校では、社会福祉協議会や地域防災委員長など、地域で防災の取組をされている方と連携して、そのときの災害の様子や対応などについて、1年生時に地域防災学習として学んでいる。この学年の生徒は当時小学2年生であり、そのときの記憶がある生徒も多く、災害を身近なものとしてとらえている。1年生での学習や過去の体験をもとに、災害に対応する力を高め、生きていくために役立つ力を身に付けさせたい。

 

 

第2節 授業の流れ(50分)と工夫

(1) 前時の内容の復習(3分)【全体】

 

  図表1 視線が上がり、集中して復習に取り組む様子

 

(2) 園部地域の過去の災害と目標の提示(4分)

 

図表2 ICT(電子黒板)を活用し、資料を提示する

 

(3) 役割分担をして、家族会議を行う。(20分)

 

  
  図表3 短時間(役割分担)の交流もこまめに行う    図表4 ワークシート(個人)の様子

 

  
  図表5 グループでの交流の様子        図表6 ホワイトボードにまとめる様子

 

(4) 家族会議の結果を交流。(12分)【全体】

 

  
  図表7 発表の様子              図表8 「時間の構造化」の様子(短冊の活用)

 

(5) 三助について説明し、ハザードマップを確認する。減災について説明する。(6分)【全体】

(6) まとめ。(5分)【個人】

 


図表9 ワークシート(終了時)の様子

 

 

第3節 成果

【教科指導】

【主体的・対話的で深い学び】

 

 

第4節 課題

【教科指導】

【主体的・対話的で深い学び】

 

 

第5節 研究授業全体の振り返り(社会科の取組、事前の取組も含む)について

園部中学校は、「地域と共にある学校」を目指し、地域社会との連携を図っている。その一環として、毎年1年生(総合の時間)に「地域防災学習」として、社会福祉協議会や地域防災委員長などと連携した防災学習を行っている。「地域防災学習」を行うまでに、何度も協議会を持ち、授業内容や授業方法について話し合いをしている。地域の方も授業に参加されたり、講演をしていただいたりしている。そのような取組をさらに深め、防災への意識を高めるために本時を設定した。また、社会科と総合の時間との間で教科横断的な扱いになるように努めた。

身近な地域社会の出来事をとらえ、過去から学び、これからの生き方を考えるという視点を大事にした。これからの社会の担い手として、非常時備えて何ができるのか、どのような行動がとらなければならないのかを考えさせる必要があると考えた。日本は災害の多い国であり、過去の災害から多くの教訓を導き出している。園部地域で起きた災害を題材に考えることを通して、防災や減災についての理解を深めることを目指した。

園部中学校の研究主題は「主体的・対話的で深い学びが実現できる授業展開の確立」である。今回の授業の中では、「傾聴の姿勢」や「個人→グループ→個人」の形態、ワークシート形式の授業スタイルなど学びに向かう姿勢については確立されつつあった。しかし、「深い学び」に向かうための工夫がまだまだ不十分であった。今後は、「深い学び」に至るための課題設定やグループ学習時の司会の役割などをさらに充実させていく必要があると感じた。

 

 

溝上のコメント

 

 

プロファイル

藤山 和也(ふじやま かずや)@(京都府)南丹市立園部中学校


  • 一言:社会科を学ぶことを通して、これからの社会のあり方を考え、未来を創ることのできる力を育てたいと考えています。基礎知識を知るだけにとどまらず、学んだことを活用する力を育てる授業を目指して、これからも精進していきます。

 

 

 

 

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