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(用語集)動機づけ

 「動機づけ(motivation)」は、教育の世界ではやる気や学習意欲と呼ばれるものに相当し、ライアンとデシ(Ryan & Deci, 2000)は、ある物事に突き動かされること、ある目標に向かって労力を割いたり行動したりすることの意とする。『心理学辞典』(有斐閣, 1999)では、「行動の理由を考える時に用いられる大概念であり、行動を一定の方向に向けて生起させ、持続させる過程や機能の全般をさす」(赤井, 1999, p.622)と定義されている。
 このような意味での動機づけは、「行為者(主体)が課題(客体)にすすんで働きかけるさま」と定義される「主体的」、ひいてはその「(主体的な)学習」(詳細は「主体的な学習とは-そもそも論から「主体的・対話的で深い学び」まで」を参照)ときわめて近接している。主体性は、「すすんで働きかけるさま」を強調し、動機づけは「(すすんで)働きかける)」その過程で起こっていること、それを引き起こす心理的機能を強調するものである。

 

文献 

赤井誠生 (1999). 動機づけ 中島義明・安藤清志・子安増生・坂野雄二・繁桝算男・立花政夫・箱田裕司 (編) 心理学辞典 有斐閣 pp.622-623.

Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2000). Intrinsic and extrinsic motivations: Classic definitions and new directions. Contemporary Educational Psychology, 25, 54-67.

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