消えゆく人気車両新幹線500系
2008年4月21日
1997年に登場したJR新幹線で、世界最速の300km/hに肩を並べた車両だ。高速化のため、丸い車体断面をもち、尖ったノーズを持つスタイリッシュな車両。しかし、そのせいで車内の環境が犠牲になったとも言われる。その後の700系、N700系新幹線が車内の快適さを重視して開発されたのと対照的である。東海道・山陽新幹線のなかで唯一シルバー&ブルーラインという色つきの新幹線で異彩を放っている。
1995年を境に鉄ちゃんをやめていたので、この2か月500系、700系、N700系とこの10年新型車両を同時にながめたことになる。その感想としては、一番かっこいいのはこの500系だなということである。ファインダーをのぞいていてあまりの迫力に興奮してしまう。
大学教育の写真を撮っていて、いつも似た教室、同じ会場で写真が退屈になってくる。奇抜な構図をねらうにしても限度がある。そんななかで、良い写真を生産していくポイントになるのは人の顔だ。失礼な言い方だが、絵になる顔、ならない顔がある。あとはこの絵に、多少場面に応じた体の動きを重ねていくと、同じ教室、同じ会場でもちょっと違う絵になってくる。おもしろい。鉄道写真にも同じことが言える。500系新幹線は顔がいいのだ。いもむしみたいなボディも魅力的だ。
現在(2008年3月改正後)では、500系新幹線は東京-博多間を1日上下2本ずつしか走っておらず、しかも1本は博多18:00発、東京23:13着なので、これは光の関係で撮影対象から除外。実質1日3本しか500系新幹線は撮影できないことになる。まあ臨時の団体列車(「団臨」とよく言われるが)ばかりを追いかけていた高校時代からすれば、500系新幹線は1日3本も走ってくれるわけで、その意味では十分だ。昨年2007年のN700系の登場でますます500系は営業縮小に追い込まれたわけだが、少なくてもあと1年は現行体勢だ。問題ない。
500系新幹線は光の具合でグレー色の濃い車両に見えたり(写真2・4)、スカイブルーの車両(写真1・3)に見えたりする。不思議な車両だ。もっと追いかけるぞ!