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テクニックよりも・・・!-車両が映えるとき

2008年4月22日

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どんなに料理の腕が良くても、どうにもしょうがないものがあるとある本で読んだことがある。それは素材の質や新しさだ。料理の種類にもよるが、寿司や肉などはその代表だろう。良い魚や肉だけでうまい寿司やステーキになるわけではないが、素材が悪ければいくら料理人の腕が良くても腕のふるいようがない。

鉄道写真にも同じことが言えるように思う。食の素材に相当するのは単純に言って、太陽の光だ。どんなに良い場所、どんなに良いカメラ、構図であっても、光の状態がよくないと列車が映えない。私は昔から太陽の光にはこだわる。逆に、良い光が得られないで、ぼつになった写真は山ほどある。

東海道・山陽新幹線700系「のぞみ」 米原駅通過

<写真1>東海道・山陽新幹線700系「のぞみ」 米原駅通過 2008年4月

東海道・山陽新幹線700系「のぞみ」 米原駅通過

<写真2>東海道・山陽新幹線700系「のぞみ」 米原駅通過 2008年4月

東海道・山陽新幹線300系 米原駅

<写真3>東海道・山陽新幹線300系 米原駅 2008年4月

東海道・山陽新幹線300系 米原駅

<写真4>東海道・山陽新幹線300系 米原駅 2008年4月

<写真1>と<写真2>は米原駅での新幹線の通過シーンで、きれいな編成写真が撮れることで有名な場所である。しかし、<写真1>は曇天。<写真2>は快晴&正面・側面ともに順光。まったく同じ構図なのに、これだけ新幹線のイメージが変わる。

<写真3>と<写真4>も米原駅での下りホームである。両方とも快晴のもと撮った写真であるが、<写真3>は午前中の撮影。正面、側面ともに逆光。列車がぜんぶ真っ黒になってしまっていてひどい写真になっている。この構図で写真を撮るなら夕方だ。正面は屋根もあってなかなか光が当たらないが、少なくとも側面は順光である。<写真4>は、ホームの屋根にかぶらず抜け出てくる光の場所に焦点を合わせて撮影したもの。わずか左下に光が当たっている。

281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅

<写真5>281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅 2008年4月

281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅

<写真6>281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅 2008年4月

281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅

<写真7>281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅 2008年4月

281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅

<写真8>281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅 2008年4月

281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅

<写真9>281系関西空港特急「はるか」東海道本線 京都駅 2008年4月

<写真5>と<写真6>の特急「はるか」も同じだ。やはり、この白色ベースにブルーラインの車両、晴天のもと映えると感じる。同じ車両とは思えない。

<写真7>~<写真9>は判断の難しい写真群だ。これは、6:22京都駅発の「はるか3号」で草津始発である。朝のはやい時間だけ草津・米原発が3本あって、はるか専用ホームの30番線ではなく、東海道線下り6番・7番ホームに入線してくる。カーブしている駅の特徴を利用すれば、ちょっとした編成写真になる。

この時間はまだ太陽の光が、(この写真で言えば)左上にある。あと30分もすればホーム右側に行ってしまう。つまり、京都駅で「はるか3号」を撮ろうと思えば、カーブしている左側面の順光をねらうという構図になる。米原駅での新幹線写真(写真4)のパターンだ。

しかし、撮影に行ってみると、同時刻6:22発の新快速姫路行きが5番線に止まっていることがわかった(写真7の左)。編成がきれいに入らない。しかも、朝日が強すぎて正面の逆光度合がきつくなって、<写真4>のようにはいかない。がっくり。

そこで、晴れだが光が雲間に隠れて強くささない日に撮影することにした。ところが、何と土日は横に止まっていた新快速が運休になるらしく、何も止まっていないホームにはるかだけが入線してきた(写真8)。またがっくり。何かピンと来ない。<写真7>でイメージを先につくってしまったせいか。何か横にアイテムが欲しい。もう1回撮影に行く。カシャ(写真9)。さあ、どれがいいだろうか。

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