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IRとは、大学等の教育機関において、大学の管理運営、戦略計画、財務計画等に必要な情報やデータを収集・分析・報告をおこない、これらの策定を支援する活動を指す。教学IRはこのようなIRの教学に関する活動を指す(小林, 2016)。日本では、質的転換答申以降、全国に広まった活動である。IRは、Institutional Researchの略記で、そのまま「アイアール」と呼ばれるか、「インスティテューショナルリサーチ」とカタカナで訳して呼ばれることが多い。
初等中等教育においては、資質・能力、ひいては思考力・判断力・表現力等の育成を推進する学習指導要領の改訂が進められている。学術的には、学校から仕事・社会へのトランジション(詳しくは「(理論)学校から仕事・社会へのトランジションとは」を参照)と呼ばれるものである。トランジション課題として学校が取り組むべき最終的な作業は、卒業生アセスメントをおこない、エビデンスベースでPDCAサイクルを回し、教育活動を改善・発展させることである。卒業生アセスメントをはじめとするエビデンスベースの取り組みは、高校版IR(アイアール)として進められている(詳しくは「(講話)高校版IR-桐蔭学園「IRオフィス」の始動」を参照)。
小林雅之 (2016). IRとは何か-日本型IRの追究- 小林雅之・山田礼子 (編) 大学のIR-意思決定支援のための情報収集と分析- 慶應義塾大学出版会 pp.3-15.