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(AL関連の実践)【高校/英語】積極的な「個→協同→個」の学習を目指した授業

馬場豊(花園中学高等学校)

花園中学高等学校のウェブサイト

(溝上のコメントは最後にあります)

対象授業

授業 :高校1年生 コミュニケーション英語I
生徒数 :38名
教材 :MY WAY English CommunicationⅠ(三省堂)

 

 

第1節 授業の目標

英語4技能「読む」「書く」「聞く」「話す」活動を1時間の授業の中で満遍なく取り入れるように心がけています。教科書に出てくる重要表現や文法項目を押さえ、インプットをした後は「個→協同→個」のサイクルで音読やチェックテストを繰り返して、定着を図るようにしています。英語が苦手な生徒でも自信を持って自己表現が出来るようになることを目標とし、主体的かつ活発に取り組める授業をするように意識しています。

 

 

第2節 授業の流れ

最初は教科書の本文のリスニングからスタートします。集中してスクリプトを聞き、発音やアクセントを意識しながら内容を予測して聞くように指示を出します。その際に分からない単語や表現があれば、文脈から判断して、自分なりの解釈をしておくように伝えています。リスニングが終了したら、ワークシート(図1を参照)を用いて本文の内容確認をします。最初は各自で和訳や内容を考えてもらいます。その後、4~6人でグループを作り、各グループで和訳や内容の確認をし合うように伝えます。その際に司会者を決め、効率的に活発なグループワークが出来るように配慮しています。

 

図1 ワークシート(PDF

 

図2 授業風景

 

グループワークが終わったら、各グループの代表生徒を指名し、本文の内容確認を行います。 内容確認と同時に、補足事項や追加事項を伝えて、より深い理解が出来るように心がけています。仕上げに、再び本文のリスニングをします。ただし今回は基本的には教科書を見ずに本文を聞き、内容の確認をするように指示します。最後に本文のディクテーションを行います。本文の重要な箇所を空欄にしたワークシートを配布し、CDを聞きながら空欄を埋めるように指示を出します。解答が終わったら、ペアを作り、互いの解答の採点をします。

全ての活動に言えることですが、生徒達には主体的かつ積極的に取り組むように何度も繰り返して毎時間指導を行っています。

 

 

第3節 アクティブラーニングへの工夫

毎時間の授業で意識しているところは、「切り替え」です。授業が退屈にならないように、「聞く」「読む」「書く」「話す」という学習をバランスよく取り入れるように心がけています。

全ての活動に言えることですが、時間を必ず設定しています。常に時間を意識することで、生徒達の集中力の持続につながっていると考えています。

特にグループワークでは、時間を長めに設定すると、話が逸れてしまう傾向があると感じています。少し短めの時間設定をして、集中して学習出来るように配慮しています。

またグループワークを行う際には、クラス全体に「私語は絶対にしない」「必ず全員が積極的に参加する」「司会者は分け隔てなく指名する」「聞く側は発表者の方に身体を向ける」といったグループワークのルールを伝え、周知徹底するように繰り返し指導しています。

生徒達がグループワークをしている時は、机間巡視を必ず行い、各グループが集中して取り組んでいるかを確認するようにしています。活発なグループワークが出来ていなければ、声かけをして積極的に取り組むように働きかけています。

 

図3 授業風景

 

 

第4節 1学期の振り返りと今後の課題

1学期の授業を通して、感じたことは旧来型の講義形式の授業と比較した際の生徒達の「姿勢」の変化です。 教師→生徒への一方通行の講義形式では生徒達の集中力が途切れる場面が見受けられましたが、生徒同士のグループワークやペアワークを積極的に取り入れることによって、集中力が途切れることが減りました。授業終了のチャイムが鳴った時に、「今日の授業はあっという間に終わった」といった声が聞こえてきたこともありました。もちろん毎回すべての活動が上手く進むわけではありませんでしたが、全体的な生徒達の授業に取り組む「姿勢」は良くなったと感じています。

今後の課題としてまず挙げられるのが、グループワークやペアワークに取り組む時の生徒達の姿勢を更に積極的なものにしていくことです。グループやペアによっては活発な意見交換が出来ずに、充実した授業にならないこともありました。グループワークやペアワークをさせる際の課題のレベルや時間設定を生徒の実情に一番近いものに合わせていくことが大切であると考えています。

また授業進度についても検討する必要があります。グループワークやペアワークに多くの時間を割いてしまうと、どうしても授業の進度が年間計画よりも遅れがちになります。教師が伝える内容と生徒同士が学び合う内容のバランスを考え、かつ授業の進度も遅れないような工夫をしていくことが自分自身の大きな課題であると考えています。

 

 

溝上コメント

 

【参考ページ】

(桐蔭学園)個-協働-個の学習サイクル

(AL関連実践)【中学高校】木村浩一(花園中学高等学校・教務部長)「花園中学高等学校 授業改革の取り組み-アクティブラーニング型授業導入を目指して」

 

 

プロファイル

馬場豊(ばば ゆたか)@花園中学高等学校・英語)


  • 一言:授業を行う際に意識していることは、生徒全員が積極的に参加できるような働きかけをすることです。「大きな声で発音やアクセントを意識しながら音読する」「グループワークでは必ず全員が意見を述べる」「活動ごとの切り替えを素早くする」などの指示を繰り返し伝えるようにしています。教員側も生徒側も粘り強く取り組むことが大切だと考えています。

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