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(AL関連の実践)【高校/国語】生徒による「考えて書いて」「考えて話して」深める授業

中藤辰哉(清教学園中・高等学校)

清教学園中学校・高等学校のウェブサイト

溝上のコメントは最後にあります

対象授業

 

 

第1節 今回の授業形態に至るまでの経緯

私の授業では「板書は必要最低限の要素のみ書く」、「生徒が自分で本文を読解しノートを作る」を心掛け、「生徒主体(眠らない)の授業」を目指している。

教員になった当初は、自らが受けてきたような「本文内容を説明する」ことに時間を割く授業をしていた。しかし、特に寝ている生徒を見た時に「果たして生徒は考えているのだろうか?生徒の為になっているのだろうか?」 という想いが日増しに大きくなっていき、結果「生徒が自分で国語の力を身につける」ということを主眼において、上記の授業をデザインするに至る。

授業を実践し始めて4年目となり、紆余曲折を経て当初の形から幾分変わった。進化しているのか、それとも退化しているのかは分からないが、とにかく変化していこうと思った結果が今回の授業である。

 

 

第2節 今回の授業形態と生徒が身につけて欲しい能力

(1)「IRの設立」について肯定的に書かれた文書二題(肯定A・B)と否定的に書かれた文書二題(否定C・D)の計四題を40人クラスならば10人×4グループに割り当てて配布する。肯定Aを持っているのはクラスで10人という形。 なお、文章はそれぞれ各4500字程度。難易度はセンター試験より平易な文章。 

 

          

 

(2) 生徒たちは自分に割り当てられた文書を読解し、B4の真っ白な紙に筆者の主張を論理的に、ただし自分なりにデザインして記していく(→図表1参照)。ここで生徒に求めているのは「思考力」「読解力」「デザイン力」 である。

※この際生徒たちには「自分が担当している文書を読んでいない人が、まとめを見た時に分かるように書くこと。そのためにしっかり読解すること。」と指示をしておく。

 

 
図表1 生徒の作成したまとめ         

 

          

 

 

(3) まとめた用紙を、ジグソー法形式で同じ文書を割り当てられた生徒同志で見せ合う(Aの文書を割り当てられた生徒はAの生徒同士で5人グループを組む)。

その際、オリジナルのルーブリック(→図表2)に基づいて他者のまとめを評価し、自らの作成したまとめの「優れた部分」「不足部分」を生徒自身が把握する(→図表3)。 こうすることで「他者の批評を通して自らを批評できる力」が養えることを期待している。

 

          
図表2 ルーブリック(大きく        図表3 他者のまとめを評価する         

 

          

 

(4) 他者のまとめに比べ、自分に足りない部分を生徒が補う時間を設ける(→図表4)。
 
図表4 自分のまとめに対する評価を受け止めて、まとめを改善する。                     
          

 

(5) ある程度洗練された文章まとめA~Dが出来上がるので、次はA~Dの文章をもった人間が1人ずつで構成される班(ABCD×10グループ)に分ける。各班員は、自分が担当したまとめを他の班員に3分間で発表し、発表者以外の班員はメモを取ることにする(→図表5)。4人の発表が終われば、自ずと「IR設立について」の肯定的視点と否定的視点を持てるようになっている。

ここでは、「発表・表現出来る能力」と「他者の発表をメモする能力」が養えることを期待している。

   図表5 発表する生徒とそれを聞く生徒                     

 

          

 

(6) 最後に「大阪にIRが設立されることに賛成か反対か」というテーマで600字の小論文をwordで作成し、pdf化した後教員へデータ送信。後日、こちらも生徒同士で相互評価しあう予定。

 

この授業は3回構成であり、初回の授業で「(1)」・「(2)」を行った。その際「(2)」は宿題としても課した。2回目の授業で「(3)」・「(4)」を行い、最後の授業で「(5)」・「(6)」を行った。 「(6)」に関しては授業中に途中まで取り組ませて、宿題とした。

 

 

第3節 今回の授業における工夫と反省

(1) 授業における工夫 (2) 授業における反省

 

 

第4節 最後に

私が在籍している学年は2019年に入試を受験する。本校は大阪府南部の進学校であり、「偏差値」と「大学入試結果」はどうしても念頭に置かねばならない。現在の所、模試で測られる国語の偏差値に関しては例年と変わらない水準である。今後は現行の試験にもよりよく対応でき、なおかつ生徒が卒業した後、大学・社会で必要になる能力を養えるような二重の効果を発揮する取り組みを一層考えていく必要がある。 が、反面自らが「おもしろい!」「たのしい!」と思える授業を積極的に実践していこうとも考えている。

 

 

溝上のコメント

 

 

プロファイル

中藤辰哉(なかふじ たつや)@清教学園中・高等学校(国語科)


  • 一言:試行錯誤の毎日です。生徒の為になり、また、私の為にもなる授業形態を模索しています。生徒が後々振り返って、あのとき授業を受けておいて良かったという事柄が多くなるように、思考する力・知識・表現力をつけてもらえればと思っております。

 

 

 

 

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